カーコーティングは、お店によって料金が同じでも、仕上がりや持ちが大きく変わるサービスです。ところが、その違いは作業が終わってしまうと見た目だけでは分かりにくく、「思っていたのと違った」という後悔につながることもあります。この記事では、熊本でカーコーティングを20年以上手がけてきた専門店の視点から、お店選び・料金・下地処理の見極め方を「失敗しない10の豆知識」としてまとめました。新車のコーティングを検討中の方も、ご自分で手入れをされる方も、ぜひ判断の材料にしてください。

なぜ「料金が同じ」でも仕上がりが違うのか
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カーコーティングを依頼する方の多くは、新車購入時のオプション、知人の紹介、口コミ、あるいはネット検索でお店を選ばれます。けれど各社のホームページを見比べても、同じ「ガラスコーティング」という言葉が、まったく違う中身を指していることが少なくありません。曖昧な表現や謳い文句で、ひとくくりに「カーコーティング」と呼ばれているのが実情です。
仕上がりを左右する最大の要因は、コーティング剤そのものよりも、塗る前の「下地処理」、なかでも車磨き研磨の技術にあります。ここに各社の差がもっとも大きく出ます。だからこそ、ホームページに書かれた情報から「どんな作業をしているお店なのか」を読み解くことが、失敗しないお店選びの第一歩になります。以下の10の豆知識を、その手引きとしてお使いください。
豆知識1〜4|「どこで施工するか」で見るべきポイント
豆知識 1:ディーラーで新車コーティングを施工する場合
近年、多くのディーラーでコーティングの内製化が進んでいます。ここで見ておきたいのは、「作業内容と料金が見合っているか」という一点です。洗車して塗るだけの工程で高額になっていないか、車磨き研磨などの下地処理が含まれているかを、施工前に具体的に確認することをおすすめします。技術差がもっとも大きく出るのは、この下地処理だからです。
豆知識 2:ガソリンスタンドで施工する場合(キーパーコーティングなど)
全国的に知られるガソリンスタンド系のコーティングといえば、当店のメニューにもあるキーパーコーティングが代表的です。この種のコーティングは全国でほぼ同一価格のため、見極めのポイントは「メーカーの研修マニュアル通りに、ケミカルと作業手順を忠実に守っているか」。基本に忠実なお店であれば、安定した品質が期待できます。
豆知識 3:専門店(プロショップ)で施工する場合
専門店では下地処理の自由度が高い分、仕上がりの評価方法に注目してください。研磨後の艶を目視(感覚)だけで評価しているのか、それとも分光色差計(測色計)を用いて、曖昧な「艶」をデータで確認しているのか。客観的な基準を持つお店ほど、根拠をもって仕上がりを説明できます。後ほど豆知識9でくわしく触れます。
豆知識 4:その他の業種で施工する場合
板金・整備工場など、その他の業種でもコーティングを扱うお店があります。判断の軸は専門店と同じで、下地処理にどれだけ手をかけているか、仕上がりをどう評価しているかです。次の豆知識5〜8で挙げる「5つの重要工程」が、その確認のチェックリストになります。
豆知識5〜8|「どんな作業か」で見る5つの重要工程
ここからは、仕上がりを大きく左右する具体的な作業を見ていきます。いずれもお客様が車を預けたあとは見えにくい工程のため、お店によって時間も内容も差が出やすい部分です。納車時のチェックポイントとしても役立ちます。
重要な作業① 手洗い洗車と鉄粉・ピッチ除去
手洗い洗車をしながら塗装の傷や凹みを点検し、鉄粉を完全に除去して余計な傷を防ぎ、ピッチ(アスファルトなどの油分)を除去して塗装の劣化を防ぎます。コーティング施工のもっとも基本的な土台づくりです。
重要な作業② 細かい隙間の洗浄
ヘッドライト・テール・ウインカーとボディの境目、ドアやボンネット・給油口・トランクの内側、ルーフのサイドモール、ドアノブ周り、タイヤハウスなど、業者によってもっとも差が出る部分です。納車確認の際は、こうした隙間まで仕上がっているかをチェックしてみてください。
重要な作業③ 車磨き研磨「前」の脱脂
研磨の前に塗装面の油分を取り除く工程です。脱脂をせずに研磨すると、研磨時の負荷が偏って均一に磨きにくくなり、深いバフ目(磨き傷)が残って艶感が下がり、コーティング剤の定着にも影響します。下の写真はボンネットの左側が脱脂前、右側が脱脂後の状態です。

車磨き研磨前の脱脂|左:脱脂前/右:脱脂後
そして本番 車磨き研磨の作業
同じ機材や資材を使っても、研磨は技術の差がもっとも大きく表れる作業です。研磨の料金と仕上がりの違いについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
重要な作業⑤ コーティング塗布「前」の脱脂
研磨が終わると、いよいよコーティング塗布です。ここで重要なのは、研磨で使ったコンパウンドのわずかな油分まで完全に除去すること。この段階の塗装はタオルで拭くだけでも傷が入るほどデリケートなので、使用するタオルにも細心の注意が必要です。研磨後に洗車や水拭きだけで塗っていないか、適切なケミカルで脱脂しているかが見極めどころです。
豆知識9|料金の「8割」は下地処理|艶をどう確かめるか
カーコーティングの料金のうち、およそ8割を占めるのが下地処理——コーティング剤を塗るまでの工程です。なかでも「車磨き研磨」が、もっとも重要で時間のかかる作業です。じつは国内でガラスコーティング剤を原料から自社製造しているメーカーはごく限られており、多くは名前やラベルを替えて販売されています。だからこそ、コーティング剤の種類よりも、下地処理の技術と知識のほうが仕上がりを左右するのです。
では、その技術や仕上がりを、どう客観的に確かめればよいのでしょうか。一つの手がかりが、分光色差計(測色計)を用いて、感覚的な「艶」を色のデータとして捉えるという考え方です。研磨で塗装面が整うほど光の乱反射が減り、塗装本来の色が深く正確に現れます。その「色の出方」を確認することで、面がどれだけ整っているか(=仕上がり)を、お客様と同じ目線で共有できます。下の動画でも、その考え方をご紹介しています。
◆ 数値の扱いについて、私たちが大切にしていること
測色の数値はあくまで一つの手がかりです。測る位置・光・塗装の状態によって変わり、「数値が高い・低い=優劣」ではありません。狙いは数値の上げ下げではなく、塗装本来の状態へ近づけること。判断はお車の色や状態によって変わるため、画一的な指標としてではなく、なぜそう言えるのかを、お客様とご一緒に確認することを大切にしています。具体的な評価の考え方は、お車を前に対話の中で丁寧にご説明します。
研磨の正確性を測色計で確認した施工の様子は、こちらの記事でもご覧いただけます。
豆知識10|「無料」「○○サービス」の落とし穴
「タダほど怖いものはない」とよく言われます。何かを「無料」と謳われると魅力的に感じますが、どこかにしわ寄せがいくのが道理です。とくに、キーパー技研のようにマニュアル化され価格帯も決まっているコーティングでは、何かを無料にすれば、いずれかの作業工程を省かない限り採算が合いません。
もちろん、無料サービスそのものを否定するものではありません。大切なのは、「○○無料!」という言葉の裏で、作業内容と料金が納得できるものになっているかを、冷静に比較検討することです。価格の安さだけでなく、これまで見てきた工程がきちんと含まれているかを確かめましょう。
【事例】同じ10万円でも、作業はこんなに違う
ここまでの内容を、わかりやすい例で考えてみましょう。新車にコーティングを依頼すると仮定し、コーティング剤+下地処理剤の原価は1台あたり1万円、すべて1人作業、施工金額は10万円で統一します。次のA・B・Cのうち、あなたはどのお店に任せたいでしょうか。
同じ10万円・同じ原価でも、作業時間と手間はこれだけ違います。料金表の数字だけでは見えない「中身」こそが、仕上がりと持ちを決める——これが10の豆知識を通してお伝えしたかったことです。
ご自分でコーティングされる方へ
最後に、ご自分で手入れをされる方への豆知識です。下の写真は、新車から10年ほど経過したお車(ホンダ アコード)で、長年ワックスで手入れをされていた一例です。

右:塗装上の油分を除去した状態(白ボケはワックス成分の蓄積)/左:6工程研磨のうち3工程を終えた状態
写真右側は塗装上の油分を除去した状態で、白くボケた部分は長年蓄積したワックス成分が膜のようになっていたものです。知っておいていただきたいのは、この白ボケの下にあるクリア層も同時に劣化し、膜厚がほとんど残っていないことがある、という点です。こうした場合は、コーティングだけでなく板金塗装で塗り直すという選択肢も頭に入れておくと、後悔のない判断につながります。
よくあるご質問
まとめ|「中身」で選べば、コーティングは失敗しない
カーコーティングは、料金表の数字だけでは中身が見えないサービスです。けれど「どこで施工するか(豆知識1〜4)」「どんな作業をするか(豆知識5〜8)」「料金と評価の考え方(豆知識9〜10)」という視点を持てば、ホームページや事前の説明から信頼できるお店かどうかを読み解けます。大切なのは、印象的な言葉よりも、確かめられる根拠です。エコスタイル熊本は、研磨の仕上がりをお客様とご一緒に確認できる施工を心がけています。新車のコーティングや車磨き研磨について、どうぞお気軽にご相談ください。
エコスタイル熊本
代表取締役 田中 和美
会長 渡邊 晃
測色計を用いた評価方式について
この評価方式は日本コーティング協会が、月間BSRに連載された、「研磨した塗面のツヤを測色する」(ケヰテック株式会社 金子代表投稿)の内容に基づき、金子代表立会いのもとご協力いただき、更に工夫を重ね出来上がった評価方式になります。
日本コーティング協会は、お客様にワンランク上のコーティング・サービスを提供するとともに、優れたコーティング技術の存在を一般に広く知らしめることで、お客様の満足度向上と業界のボトムアップを図ることが目的で活動しております、従いまして、興味がある方は、必ず当協会にお声をお掛けください。
評価方法のみを真似ることではなく、なぜ、ツヤが測色できるのか?、ツヤの色による数値化が必要なのか?、それの根拠、他の方法との比較や優劣、注意点など、を丁寧に説明して、話し合うことが出来ます。

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