車内クリーニングは、車内環境を清潔に保つために欠かせない作業ですが、特に嘔吐や糞尿の洗浄作業を行う際には、感染症のリスクが伴います。これらの作業に従事する方々が安全に作業を行えるよう、感染リスクとその対策について詳しく解説します。

嘔吐や糞尿に潜む感染リスク
嘔吐物や糞尿には、病原菌やウイルスが含まれている可能性があります。以下のような感染症が懸念されます。
- ノロウイルス
嘔吐物や糞便に含まれることが多いウイルスです。
非常に感染力が強く、少量のウイルスでも感染する可能性があります。
症状:激しい嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。
- 大腸菌やサルモネラ菌
糞尿に含まれることがあり、食中毒の原因となります。
症状:腹痛、下痢、発熱など。
- 肝炎ウイルス(A型)
糞便を介して感染する可能性があります。
症状:発熱、倦怠感、黄疸など。
- その他の病原体
インフルエンザウイルス、ロタウイルス、寄生虫なども嘔吐物や糞尿に含まれる可能性があります。
感染を防ぐための基本的な対策
嘔吐や糞尿の洗浄作業を行う際には、以下の対策を徹底することが重要です。
- 適切な個人防護具(PPE)の着用
手袋:使い捨てのゴム手袋を必ず着用し、作業後は廃棄する。
マスク:飛沫を吸い込むリスクを防ぐため、医療用マスクまたはN95マスクを着用。
防護服:汚染物が付着しないように、防水性のエプロンや防護服を着用。
ゴーグルまたはフェイスシールド:目に汚染物が入るのを防ぐ。
- 適切な消毒剤の使用
次亜塩素酸ナトリウム(濃度0.1~0.5%)を使用して、汚染箇所を徹底的に消毒します。
消毒剤を使用する際は、換気を十分に行い、目や皮膚に触れないよう注意してください。
- 作業後の手洗い
作業後は必ず石鹸と流水で手を洗い、その後アルコール消毒を行います。
手洗いは少なくとも20秒以上かけて丁寧に行うことが推奨されます。
- 汚染物の適切な廃棄
嘔吐物や糞尿を拭き取ったペーパータオルや布は、ビニール袋に密閉して廃棄します。
廃棄物は感染性廃棄物として処理することが望ましいです。
作業環境の整備
作業環境を整えることも重要です。以下の点を意識しましょう
十分な換気
嘔吐物や糞尿の処理中は、車内の窓を開けて換気を行い、臭気や病原体がこもらないようにします。
専用の清掃道具の準備
嘔吐物や糞尿の処理に使用する道具は、他の用途と分けて専用化しましょう。使用後は必ず消毒を行います。
定期的な健康チェック
作業に従事する方は、定期的に健康診断を受け、感染症の予防接種(例:A型肝炎ワクチン)を検討することも有効です。
緊急時の対応
作業中に以下のような事態が発生した場合は、速やかに対応してください。
汚染物が皮膚や粘膜に付着した場合
速やかに流水で洗い流し、必要に応じて医療機関を受診してください。
体調不良が現れた場合
作業後に嘔吐、下痢、発熱などの症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。
まとめ
車内クリーニングにおける嘔吐や糞尿の洗浄作業は、感染リスクを伴うため、適切な防護策と衛生管理が不可欠です。作業に従事する方々が安全で健康に作業を行えるよう、この記事で紹介した注意点を参考にしてください。
清潔な車内環境を保つことは、利用者の安心と快適さを守るだけでなく、作業者自身を守ることにもつながります。安全第一で作業を進めましょう!
車内の再生から保護まで、車内空間をトータルに手掛ける、Restore Core監修
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